私たちはマイホームを探していましたので、週末は必ずといっていいほど、どこかれ催されるオークションに行っていました。6

ある時、ある家のオークションに行った時のことです。
その家は、19世紀末に建てられたビクトリア様式の『御屋敷』でした。

あまりの由緒ある立派な建物なだけに、政府も介入してのオークションでした。
普段見ることのできない中庭が見られるというので、私たちは、買う気もお金もないのに、そのオークションに参加。

しかし、考えることは皆同じようで参加者のほとんどは野次馬で庭は埋め尽くされていました。

この御屋敷、本当にすごいんですよ!
中庭なんてものではなく、敷地内にプールはもちろんのこと、自家農園があったり、テニスコートがあったり。そして、一体の景色がパノラマ状態で一望できて、まるでちっちゃいベルサイユ宮殿みたいなんです!

さて、一体どんな人が、この家を競り落とすのかが気になります。
ベルの音がなり、エージェントの一人がオークションの始まりの合図を促すと、野次馬たちは、なるべくエージェントと目が合わないように後ろの方に下がります。

一方で、この家に興味のある人たちは、前でなるべくエージェントに見えるところへ移動して待機します。
面白いですよね。この違い!

いきなり底値が『200万ドル』から始まったこのオークション。
私なんか、夫に「動いたり、頭をかいたりしたらエージェントに値段をつけられるから、絶対に動くなよ!」って言われていたぐらいですもん。

すごい勢いで、競り合いが始まったんです!

そして、とうとう400万ドル台に入ったところで、急に静まりかえったんです。
私は、てっきりこれで値がついたと思ったのですが・・・。

その時、エージェントの一人が、ある人のところに近づいて耳元で何かを伝えたんです。

その人は、このオークションの間、携帯電話を耳に当てたまま、一言も競り合いに参加しなかった中国人です。
その中国人は、その時初めて携帯電話を耳から離し、エージェントを見て頷きました。

すると、エージェントは「今、この家は、500万ドルで競り落とされました!おめでとうございます!」と叫んだんです!どうです?この余裕!
このように、今、オーストラリアでは、豪邸が中国のリッチな人たちに買い取られていくケースが多いんですって。